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こんにちは、みけラボの藤本です。
最近、日本で未登録(使用実績なし)の肥料を輸入しました。
今回の経験から、皆様も肥料の輸入ができるように、なるべる簡単に手順を説明します。
記事のターゲット
・中小企業または個人
・輸入したい肥料がある
・輸入経験が少ない人、はじめての人
・自分で輸入に挑戦したい
まだ国内で登録されていない肥料は、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(以下、FAMIC)で肥料登録を行う必要があります。
海外メーカーに資料を作成してもらう必要があるなど、難易度があがります。
それでも、手順どおりやれば個人でも輸入できるので、この記事を参考にしてみてください。
この記事でできるようになること
・肥料(未登録)の輸入
・輸入に係る大まかな費用の算定
・FAMICへの肥料登録の流れ
・他法令のチェック
・メーカーとのやり取り(購入、資料請求、登録資料作成依頼)
・法規制チェック
・フォワーダーへ輸送費の見積り
・FAMICに登録申請の連絡・相談
・登録申請用の資料作成
・サンプル輸入と肥料の登録申請
・輸入
これから、海外メーカーへのコンタクトから肥料の輸入まで順番に説明します。
まずはメーカーとコンタクトです。
自己紹介も含め以下の内容を海外メーカーを打ち合わせます。
メーカーとの関係づくりが今後に響きます
仲良くしましょうね!
・自己紹介と輸入したい旨を伝える
・希望数量と商品価格の交渉
・輸出経験や輸送手配ができるか確認
・できるなら、輸送条件(後述します)や料金はどうかを確認
海外メーカーが輸送を手配した場合は、実際にいくらで手配されているのかわかりません。
あとで買い手(輸入側)で国内フォワーダーへ見積り依頼をして金額を比較します。
比較できるように、この時点で可能な限り正しい見積りを把握します。
メーカーから性状表(Specifications)とSDSを送ってもらいます。
性状表でHSコードを確定します。
HSコードは輸出入の際に商品を分類する世界共通の番号。
頑張って調べます!
『実行関税率表』で検索するとHSコードを検索するページがあります。
そしてSDSで関連法令を調べます。
関連法令は以下の項目になります。
ひとつずつやれば大丈夫
不安なら税関の事前教示制度を活用しよう!
「毒物及び劇物指定令」で検索。
すると、e-Govの法令検索で毒物と劇物の一覧が出てきます。
性状表の原料名(例えば”硝酸カリウム”など)で一覧に検索をかけます。
もし合致するものがあれば、県の薬務課に連絡をして指示を仰ぎます。
「麻薬及び向精神薬取締法」で検索。
すると、e-Govの法令検索「麻薬及び向精神薬取締法」の最下部に、別表1~別表4で原料一覧ができてきます。
性状表の原料名(例えば”硝酸カリウム”など)で一覧に検索をかけます。
もし合致するものがあれば、県の薬務課に連絡をして指示を仰ぎます。
まずはSDSの項目14.TRANSPORT IMFORMATIONを確認します。
危険物でなければ、「Not regarded as a dangerous good.」
または、「Un number:none allocated」のような表示があります。
UN番号は国連番号で、安全に化学品を運ぶために危険物を分類したものです。
UN番号の有無をチェック!
次は、項目15.Regulatory informationを確認します。
例えば、”Fire Service Act, Category 4, Class 2 Petroleum”「消防法危険物4類2石油類」といった記載があれば、危険物に該当します。
SDSの消防法は14と15でOK
化学品有害マークがないかもチェックよ!
有機肥料として動物の排泄物や、植物性肥料は検疫の対象となります。
有機肥料を輸入する場合は、事前に輸入する港又は空港の防疫所に相談します。
例えば植物であれば、「植物、輸入禁止品等輸入検査申請書」を提出します。
輸入予定日7日前から受け付けています。
逆に無機肥料であれば、検疫を気にする必要はありません。
検疫は厳しいので、
少しでも不安があれば防疫所に相談よ!
フォワーダーに見積りを依頼します。
私は肥料を2トンほどEXWで輸入しました。
見積りにより輸送費に10万円以上の差!
以下が、私が見積り依頼としたところ。
NX日本通運(株)
佐川急便(株)
西濃運輸(株)
郵船ロジスティックス(株)
三菱商事ロジスティックス(株)
フォワーダーはいっぱいあるので、ネットで探して聞いてみて。
大手フォワーダーが安心だと思います。
一番楽なのはEXW、つまりメーカー倉庫で引き取って、日本の自社まで送ってもらいます。
輸入通関、輸出通関ともに買い手(輸入側)手配になるので、フォワーダーに可能か相談します。
基本になるのはFCAだと思います。
輸出地(売り手側(外国))の指定引渡地(輸出港のコンテナターミナルやトラックターミナル)で、輸入者(買い手)に引き渡されます。
そこから買い手倉庫までの輸送費、通関費用、必要な検査や保険は買い手が負担します。
見積りに通関費用が含まれているかもチェック!
輸入者が費用負担範囲が広いほど、自分で費用を把握できるから安心!
濃い青:売り手の費用負担、水色:買い手の費用負担、
オレンジの点:危険負担の分岐点で右が買い手の責任範囲
肥料登録時にサンプルを500g提出する必要があります。
その他に国内で肥料の分析を行う必要があるので、さらに500gほど必要です。
始めは500g×2個を航空便で輸入しましょう。
フォワーダーの輸入見積りの際に、サンプル輸入(メーカー引取から自社までの航空便)についても料金を調べておきます。
メーカー側がDHL やFedExを手配して、高くなければそれでいいと思います。
私の場合はメーカーがDHLで送ってくれてラクでした。
受け取り時に消費税が徴収されます。
肥料登録の手順や必要な書式等はFAMICのHPを見てください。
『FAMIC』『肥料登録手続きの概要』で検索すれば出てきます。
やろう!と決めたら、
まずはFAMICに電話相談よ。
「肥料の品質の確保等に関する法律」
・普通肥料を生産・輸入する場合、銘柄毎に登録を受ける必要があります
・輸入する場合の登録先は、(独)農林水産消費安全技術センター(略名:FAMIC)
・輸入する肥料が、自己消費のみで譲渡や販売を一切行わない場合は登録不要
(いちおうFAMICに事前確認)
申請には毎月締め切りがあります。
・10日の15時、25日の15時
・登録は1か月後(不備がない場合)
翌月10日、15日
肥料は以下の2種類に大別されます。
魚かすや米ぬかのように、農家の方が見れば品質の識別ができる単純な肥料や、たい肥のように主成分量の多少のみで一律的な評価を行えない肥料をいいます
輸入の手続き:
➀都道府県知事への輸入届出
事業開始の1週間前までに、輸入地の都道府県庁へ届け出ます。
②都道府県知事への販売業者の届出(輸入後に販売する場合)
事業開始の2週間前までに、販売事業場が所在する都道府県庁へ届け出ます。
特殊肥料以外をいいます。
【指定配合肥料】普通肥料のうち、登録されている肥料のみを決まりに従い単に配合しただけの肥料
【指定配合肥料以外の普通肥料】は生産・輸入について登録が必要
輸入の手続き(指定配合肥料の場合):
➀都道府県知事で届出
事業開始の2週間前までに、輸入地の都道府県にある農林水産省農政局等へ届け出ます。
輸入の手続き(指定配合肥料以外の場合):
➀農林水産大臣へ届出
本社が所在する都道府県を担当する(独)農林水産消費安全技術センターへ申請を行う。
②都道府県知事への販売業者の届出(輸入後に販売する場合)
事業開始の2週間前までに、販売事業場が所在する都道府県庁へ届け出ます。
今回は登録が必要な普通肥料(指定配合肥料以外)について説明をします。
登録申請書 2部
登記簿謄本 1部
登録見本サンプル 500g
製造設計書 2部
生産工程の概要 2部
分析報告書 2部
会社事業場の概要 1部
・製造設計書はメーカーで作ってもらいます。
原料名は日本語に翻訳する必要があります。
作成後、申請前にFAMICで内容チェックしてもらいます。
・生産工程の概要はメーカーで作ってもらいます。
これも日本語に翻訳をする必要があります。
作成後、申請前にFAMICに内容チェックしてもらいます。
・分析報告書は、肥料を日本で分析をして作成。
製造設計書の含有主成分量と保証成分量は、この分析値を記載します。
主成分の他に有害成分の分析が必要。
作成後、申請前にFAMICに内容チェックしてもらいます。
文章だとさっぱりわからん!
FAMICに行って相談しながら一つずつ解決しよう!
HPに肥料登録申請(新規登録申請)の手引き(PDF)があります
製造設計書、分析報告書はWordで書式があります
製造設計書は使いづらいから
エクセルで作りました!
肥料の登録が完了したら、あとは輸入です。
輸送は、一番条件の良い見積り(安い)を提示くれたフォワーダー選びます。
貨物保険も忘れずに!
登録は少し大変だけど、FAMICが教えてくれる
他も周りに相談しながら進めば大丈夫
・メーカーとのやり取り(販売、資料請求、資料作成)
・法規制チェック
・フォワーダーへ輸送費の見積り
・FAMICに登録申請の連絡・相談
・登録申請用の資料作成
・サンプル輸入と肥料の登録申請
・輸入
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